こども二科展の魅力とは?
毎年全国から1万3000点以上の作品が集う「こども二科展」。半世紀以上の歴史を誇る本展は、子供絵画コンクールとしては国内最大規模となります。
「こども二科展」の魅力に迫るため、2023年度「二科ジュニア賞」を受賞された新森幼稚園(大阪市旭区)の大田諒子先生にお話をお伺いいたしました。
◆〝二科展〟というインパクト
-私が就職する前から(新森幼稚園は)こども二科展に参加していて、就職を機にこども二科展を知りました。
「〝二科展〟の会場で展示されるんだ」とかなりのインパクトがありました。
*二科展:100年以上の歴史を誇る日本三大公募展の一つ。
◆ 子供たちの成長の実感
(新森幼稚園では)保育のなかで作品を制作しています。
1日で1時間、多くて2日で仕上げていますが、みんな一生懸命取り組んでいます。
いろんな物をしっかり見て描くというのは「観察する」ということ。塗り込みもするので、集中力が養われます。
毎年出品していると、年々塗り込みが変わってきて、成長の実感にも繋がっています。
◆ ご家族や子供にとっての思い出の一幕
(絵画・彫刻・写真・デザイン部門とたくさんの大人が制作した作品があるので)いろんなものに触れる機会になっていると思います。
また、お子さんを連れてご家族で美術館に足を運ぶのは、ご家族やお子さんにとって、ひとつの思い出の場になっているのではないかと感じています。
◆ 一人ひとりが読み上げられる表彰式
「こども二科展」の表彰式では、一人ひとりの名前が読み上げられ、全員が表彰されます。
自分で賞状を受け取る。そういった経験は、一生に何度もある訳ではありません。「こども二科展」での経験が、将来、好きなことに臆せず挑戦する自信に繋がってほしいと思っています。
◆ たくさんの作品に触れる機会
「二科展」という著名な展覧会の会場に展示されるのも、みなさんが魅力を感じるひとつではないでしょうか。
会場でほかの入選作品を見ていると「いろんな描き方があるんだ」「こんなに描けるなんて」と、たくさんの気付きがあります。指導者としても参考になる点が多く、来年度に向けた取り組みに繋がる良い刺激となっています。
◆ 最後に――出品を迷っている方へ
伝統のある「二科展」という看板に、ハードルが高いと感じることもあるかもしれませんが、その一歩が、お子さんにとっての何かの「きっかけ」になるかもしれません。自由な発想で表現したものを発表する場として「こども二科展」等の絵画コンクールは良い機会になるのではと思います。